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鉄筋継手とは
鉄筋継手の種類と特徴
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造建物の鉄筋工事では、鉄筋を定尺物として現場等に搬入するため、鉄筋継手が不可欠となります。鉄筋継手としては、大きく分類して4種類があります。それぞれの機構を簡単に述べると以下のようになります。
重ね継手 | 鉄筋を所定の長さに重ね合せ、周囲のコンクリートとの間の付着を利用して鉄筋を一体化させる工法 |
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ガス圧接継手 | 鉄筋端部を突合せ、加熱と同時に加圧して鉄筋を一体化する工法 |
溶接継手 | 鉄筋端部を突合せ、溶接棒等を使用してアーク溶接を行うか、瞬間的に電気を流すと同時に圧力を加え、鉄筋を一体化する工法 |
機械式継手 | スリーブ(カプラー)を鉄筋端部に被せ、鉄筋の節とスリーブの噛み合いやネジによる接合を利用して鉄筋を一体化させる工法 |
ガス圧接継手
ガス圧接継手は、鉄筋端面どうしを突き合わせ、その周囲を酸素アセチレン炎で加熱し、鉄筋端部を溶融させない赤熱状態(固相状態)にして、同時に軸方向に圧縮力を加えながら接合する継手工法です。
ガス圧接継手の長所としては、装置が比較的簡単であり、コストが安いこと、直接鉄筋どうしを接合するため継手性能への信頼性が高いこと、重ね継手に比べ鉄筋が込み合わないこと等があげられ、現在重ね継手を除く全継手工法の90%以上という施工実績であり、最も一般的に使用されています。
ガス圧接継手の継手性能を確保するためには、端面処理、適切な加熱と加圧が重要です。手動ガス圧接の場合、それらの作業が作業員の経験に左右されるため、作業員の技量が重要となります。また、圧接部ヘの不純物の浸入を防ぎ、一様な加熱を確保する必要があるため、雨や強風時には施工が困難となります。
機械式継手
機械式継手は鉄筋を直接接合するのではなく、異形鉄筋の節と周囲の鋼管等の機械的なかみあいを利用して接合する継手工法です。機械式継手の長所としては、施工時に鉄筋が縮まないこと、部材端で全数継手が可能なこと、作業員に特別の資格が不要なこと、天候等の影響を受けないこと等があげられ、鉄筋先組工法やプレキャスト工法等に使用されています。 機械式継手の継手性能を確保するためには、いずれの工法も定められた長さの鉄筋を鋼管内に挿入することが大切です。その他の管理点としては、充填継手、ねじ節継手、圧着継手等で異なっており、それぞれの工法に定められた要領で管理する必要があります。
溶接継手
溶接継手は、主なものとしてはフレア溶接継手、アーク突合せ溶接継手、突合せ抵抗溶接継手があり、他にワイヤメッシュ筋に使用される重ね抵抗溶接継手や鉄骨梁に鉄筋を接合する場合に使用されるア-クスタッド溶接継手があります。フレア溶接継手は、比較的古くから使用されてきた継手工法であり、せん断補強筋やスラブ筋等の細径鉄筋に使用されることがあります。 突合せ溶接継手は、鉄筋端面間に開先を設け、軸心を一致させてセットし、開先間に溶接棒あるいは溶接ワイヤーを溶融させて鉄筋を接合させる工法であり、高層建物における鉄筋先組み工法やプレキャスト工法等の採用に伴って開発された継手工法であり柱梁主筋等の太径鉄筋に使用されています。 突合せ抵抗溶接継手は、圧接継手と同じようなメカニズムで鉄筋の端面同士を付き合わせて接合する継手工法であり、閉鎖型せん断補強筋に主に使用されています。フレア溶接継手以外は(財)日本建築センター等による審査を経てA級と認定された工法が使用されています。
(公社)日本鉄筋継手協会資料より転記