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鉄筋ガス圧接継手

ガス圧接継手の施工方法

工場出荷時の鉄筋端部の切断

定尺の鉄筋は、一般にはシャー切断で処理され、出荷されています。しかしこの切断法による鉄筋の端部は、曲がり方やつぶれ具合が、ガス圧接に適しておらず、通常の処理方法ではうまく仕上がらない場合が多いのです。

現場での鉄筋端部の切断

鉄筋の端部が変形している場合は、その部分を再度切断しなくてはなりません。また最上階の止り柱の寸法調整のための切断や、柱形を絞る場合などの加工材の位置合わせのための切断調整、梁筋の終端部の調整などでも鉄筋の切断が必要になります。
このような場合は、直径程度の圧縮縮み代を計算に入れて切断することが必要になりますがこの場合の切断機には、鉄筋冷問直角切断機((公社)日本鉄筋継手協会認定品)を用いるのが望ましいといえます。
鉄筋冷間直角切断機は、配置された鉄筋を軸線に対し直角に切断でき、短時間での切断が可能です。公益社団法人日本鉄筋継手協会が認定した鉄筋冷間直角切断機の切断用チップソーは、鉄筋の切断抵抗の低減銀蝋の切断面への付着防止、台金のひび割れ防止の性能を有するので、圧接作業のため当日現場で鉄筋の切断を行う場合にグラインダー作業を必要としません。

鉄筋の端面処理

鉄筋の切断面付近にセメントペースト、泥、油脂、ペイントなどの汚れが付着している場合には、端面研削作業の前にワイヤーブラシなどできれいにしておく必要があります。特に、セメントペーストや泥などは突合せ部の加熱を阻害する上、圧接面のあいだに入り込んで、金属の接合を大きく阻害してしまうからです。
杭頭などに付いて固くなってしまったセメントペーストや泥などは、ディスクグラインダーにワイヤーパフを取り付けて取り除幾、油脂などが付いている場合は、いったんバーナーなどで油を燃焼させ、そのあとに冷間直角切断機により端面加工をするのが望ましい方法です。
端面加工を行ったあとの鉄筋を圧接器にセットした場合、その突き合せ面の隙間が2mm以下((公社)日本鉄筋継手協会の鉄筋ガス圧接工事標準仕様書、以下、工事標準仕様書と略称)となっているか確認しなくてはなりません。

さらに、端面加工は圧接作業の当日に行うべきです。ただし、圧接端面保護剤((公社)日本鉄筋継手協会認定品)を使用すれば、圧接当日以前の端面加工作業が可能になります。鉄筋圧接端面を切断後、その日のうちに圧接端面保護剤を噴霧塗布すれば、3週間程度の野外保管が可能です。圧接端面保護剤は、圧接時の加熱により燃焼・気化しますので塗布したままで圧接作業ができます。

圧接器の取り付け

圧接器は、1. 接合する鉄筋径に合致したもの、2. 強度的に信頼のおけるものを選ぶ、また、圧接器の管理は良好な接合部をつくるためにも重要であり、作業中の事故を未然に防ぐためにも定期的に下記の検査を実施する必要があります。

圧接器の定期検査項目
  • クランプの通り芯の検査:両方のクランプに丸鋼およびパイプなどを取付けて定規を当ててみる。
  • 溶接部の損傷:特にクランプとパイプの溶接部の損傷の有無を検査する。
  • 締付ボルトの先端形状:接合する鉄筋に有害な締め傷がつかないような先端形状のボルトを選択して使用する。
圧接端面の確認

圧接器取付け前に、さらに圧接端面の確認をすることが大切です。端面に汚損など不具合があった場合は、再研削が必要です。

圧接器の取付け

圧接器に取付けた鉄筋に対して圧力を加えたとき、締付け部分にすべりが生じた場合は、必要な加圧が得られず不完全な接合となってしまいます。
締付ベルトでの鉄筋締付けには、最近インパクトレンチが多用されていますが、必要以上の大きなトルク(力)での締付けは、鉄筋に有害な締め傷を与えることにもなるので注意が必要です。また、接合部に曲がりが発生する原因として、鉄筋がクランプのV溝に確実に締め込まれていない場合があるので確認が必要です。

圧接端面の隙間の確認

接合部に圧接器を取付けた場合、圧接端面の隙間の大きさを確認しなければなりません。隙間は小さいほど良好な接合部を得ることができます。

加熱および加圧
加熱の仕方

バーナー加熱炎は、鉄筋接合面が完全に閉じるまでの間は確実に強還元炎とし、接合面を還元性雰囲気で包みながら加熱します。このとき火炎が突合せ部から外れることがないよう注意しなければなりません。

鉄筋接合面が完全に閉じた以後についての加熱炎は標準炎とし、鉄筋径の約2倍程度の範囲をむらなく加熱(1,200℃~1,250℃)しながら加圧します。そして、外径が鉄筋径の1.4倍以上のなだらかなふくらみができたら消火し、圧接を完了します。

なお、熱間押技法の場合は、この後すぐに押抜刃を前進させ、ふくらみを押抜き除去します。圧接による圧縮縮み代(圧縮(アップセット)量)はおよそ鉄筋径の1.0倍で、圧接部の形状寸法は膨らみの大きさは鉄筋径の1.4倍以上膨らみの幅は1.1倍以上が標準です。

加圧の仕方

加圧については、鉄筋断面積当り30Mpa以上(公社)日本鉄筋継手協会の工事標準仕様書の加圧能力を有する加圧器で、作業中を通して必要な圧力を鉄筋の軸方向に加えなければなりません。また、加圧器についても種々のものが考案されています。

  • 無線式リモコン加圧ポンプ
    加圧ポンプ本体と操作スイッチは、通常操作コードでつながれていますが、近年、無線式リモコン加圧ポンプが開発されました。本器は送信部と受信部のチャンネル数を合わせることによって、半径5mの範囲までリモコン操作が可能です。ポンプ本体と操作スイッチ(送信機本体)の間を無線にしたことで、圧接技量資格者が操作コードで拘束されず作業性を一段と向上させることができました。
  • コンピューター利用自動加圧ポンプ
    電動式ポンプを高度化し、各鉄筋径に対応して加圧シーケンスをプログラミングすることで加圧のみ自動化できる構造のものです。これによって圧接技量資格者は加熱作業に集中することができ、良好な加圧条件を選定し、その条件を再現することができます。

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自動ガス圧接装置

自動ガス圧接装置は、それぞれ高精度で複雑な構造となるために、その取扱いには十分な注意が必要です。特に制御装置は、コンピューターにより構成されているため、保管についても湿度などに対しての配慮が必要です。また、加熱精度上からも鉄筋端面は直角で圧接端面間の隙問は0mmとすることが望ましいとされています。

  • 先組鉄筋全数継ぎ手全自動ガス圧接施工

  • 先組鉄筋全数継ぎ手全自動ガス圧接施工

  • 全自動ガス圧接制御器

  • 全自動ガス圧接駆動機

熱間押抜きガス圧接法

熱間押抜きガス圧接法とは、手動ガス圧接直後、 鉄筋が赤熱中に鉄筋径よ りやや大きい寸法 (鉄筋径のおよそ1.2倍)の押し抜き刃でふくらみ部をせん断除去する工法です。
この工法は、接合面の欠陥を外観で検査するための方法です。ガス圧接を行ったとき、接合面に酸化物等が介在して完全に結合されていないと、押し抜き時に接合界面に割れが生じます。 このように、熱間押し抜きガス圧接法は欠陥を目視で検出でき、目視判定のみで精度の高い検査ができるのが特徴です。
熱間押し抜きガス圧接法に関しては、多くの実験結果によって、押し抜き後の外観検査が合格であれば母材破断することが確認されています。従って、熱間押し抜きガス圧接法による外観検査方法は、日本建築学会のJSAA5(1997年版)でも認定されている検査方法です。

  • 押し抜き圧接用圧接器

  • 圧接部の押し抜き状況

  • 押し抜き後の良好な圧接部

  • 押し抜き後の不良な圧接部

(公社)日本鉄筋継手協会資料より転記

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