機械式継手取付施工

機械式継手の施工方法

鉄筋の端部切断

モルタル充填継手や圧着継手は、比較的大きな径のカプラー(鋼管)に鉄筋を挿入するため鉄筋の端部に多少の曲がりがあっても施工が可能ですが、ねじ節継手の場合はシャリング切断により鉄筋端部に曲がりがあるとカプラーに挿入できないことがあります。従って、ねじ節鉄筋の切断は、鋸盤や高速切断機等を用いて行うことが原則とされます。

鉄筋の端部に浮錆、セメントペースト、泥、油脂、ペイント等の汚れが付着している場合にはワイヤーブラシ等で除去し、曲がりや変形、バリ等がある場合は必要に応じてグラインダーで修正するか、再切断を行います。

配筋

カプラーと鉄筋の接合を確実に行うためには、鉄筋端部を所定の長さだけカプラー内に挿入(かん合と称する)しなければなりません。かん合長さの確認のために、継手を施工する前に鉄筋端部の所定の位置にマーキングを行う必要があります。
機械式継手では鉄筋径より外径の大きいカプラーを使用するため、継手部でのかぶりやあきの確保に注意が必要です。かぶり厚さの確保のため、継手部では一般部より径の小さいせん断補強筋を2丁がけで使用する例もあります。
ねじ節継手の場合は、一方の鉄筋全長をかん合させておき、鉄筋同士を付き合わせた後にカプラーの両端が鉄筋につけられたマークの範囲内になるよカプラーを回転させてセットします。
かん合長さを確認した後にカプラー中央にある注入孔からグラフト注入を行いカプラー両端からグラフト材が漏れ出たことを確認して作業を終了します。
グラフト材には無機グラフトと有機(樹脂)グラフトが使用されますが、有機グラフトは耐火性能が乏しいため、建築物の場合、柱や梁部材での使用は不適切であり、使用部位に注意が必要です。また、カプラーの両端にロックナットをセットして固定する場合以外は、グラフト注入後硬化するまでは継手部が動かないように鉄筋を固定する対策が必要です。機械式継手は天候の影響を受けないことが長所ですが、グラフトは低温の環境下では硬化に時間がかかるおそれがあるので適切な養生を行う等の注意が必要です。また、無機質グラフトの混練においては定められた水グラフト比を守るとともに、雨水が混入しないよう注意する必要があります。
圧着継手は、鉄筋を所定長さだけカプラーにかん合した後、カプラーを外側から圧着機を用いて押しつぶす作業を行います。圧着装置は、油圧ポンプ°、油圧ホース、圧着機から構成されますが、作業前に点検を行うとともに、油圧ポンプの圧力設定を行い所定の油圧力に設定する必要があります。圧着継手はカプラーを横から圧縮するため、鉄筋軸方向に伸びが生じるので、先組み鉄筋工法等で用いる場合には、圧着する鉄筋の順序を検討することにより圧着後の伸びによる先組み鉄筋のねじれを防ぐように注意します。
充填継手は、ねじ節継手等よりもさらにカプラーの外径が大きくなりますのでかぶり厚さ等の注意が必要です。最近は外径を比較的小さくしたタイプも開発されています。
鉄筋のカプラーへの挿入長さは、事前に鉄筋につけたマークにより確認しますが、挿入方法はグラフト注入後に鉄筋を挿入するプレグラフト式と鉄筋挿入後にモルタルを注入するポストグラフト式の2タイプがあります。注入用のグラフトは特殊な無収縮高強度グラフトを使用しますが、グラフトの混練に際しては適切な水グラフト比を守るとともに、雨水等を浸入を防止する必要があります。グラフト充填後は所定の期間、継手部に振動や衝撃を与えないように養生を行う必要があります。
端部ねじ継手は、鉄筋端部に機械加工したねじ部を圧接したり、鉄筋自体をねじ加工しているため、現場での鉄筋切断による寸法調整が困難となります。鉄筋加工時に寸法を間違えないように発注する必要があります。他の機械式継手と同様に継手の施工では所定のかん合長さを確保するようにマーキングのチェックを行います。ロックナットを仮締めした後合わせマークをつけ、トルクレンチで本締めした後に合わせマークのずれを確認します。

(公社)日本鉄筋継手教会資料より転記