機械式継手取付施工

機械式継手の特徴

ねじ節鉄筋継手

ねじ節鉄筋は多くの鉄筋メーカーが製造しており、機械式継手の中でも現在最も普及している工法です。各メーカー共、細径からD51まで、また、材質はSD490まで対応が可能な継手を製造しています。この継手は鉄筋の節がねじ状に形成されているため、カプラーの装着が簡単で、また、カプラーの挿入長さを確認するだけで応力が確実に伝達されるという特徴があります。ただし、カプラーとねじ節の間にはゆるみがあるのでこのゆるみを解消する方法として、1. カプラーの端部よりロックナットを締め付け、カプラーとナット間の鉄筋に初期張力を与えるトルク固定方式と、2. カプラーの両端を軽く締め付けたのち、カプラーとねじの空隙にモルタルを注入する無機グラウト方式、充墳材として樹脂を用いる有機グラウト方式の3種類があります。有機グラウト方式は耐火性に乏しいため、耐火性能が要求される部材の鉄筋継手には適用できない点に注意が必要です。

端部ねじ継手

端部ねじ加工継手とは異形鉄筋の端部をねじ状に機械加工するか、または、鉄筋端部に別のねじを取り付けて接合する工法です。端部をねじ加工する場合は、焼き入れなどの特殊加工を施し、ねじ部の強度が母材強度よりも小さくならないようにしています。
端部に別のねじを取り付ける方法としては、摩擦圧接工法が用いられています。摩擦圧接は継手のメカニズムとしては溶接継手の一種であり、接合しようとする材料を突き合わせた後、高速回転して、この時生じる摩擦熱を利用して圧着する工法で、古くからある継手工法であり、鉄以外の材料の接合にも用いられています。加工工場において鉄筋の端部にねじ加工した別の材料を摩擦圧接で取り付けるため、あらかじめ、設計図書に基づいた長さの設定が必要と言えます。

鋼管圧着継手

この工法は第一次開発ブームの時期に開発され、柱筋の継手などに主に用いられていますが、最近ではせん断補強筋や壁筋等の細径鉄筋にも適用できる工法が開発されています。工法的には断続圧着継手と連続圧着継手の2種類があります。断続圧着継手は鉄筋の両端に円筒状の鋼管をかぶせた後この円筒鋼管を特殊なジャッキで断続的に圧着し、円筒鋼管を異形鉄筋の節に食い込ませて接合する工法です。連続圧着継手は特殊ジャッキを円筒鋼管の軸線に沿って連続的に一方向に絞り込み、ふしに食い込ませる工法であり、応力の伝達方法はどちらも同じです。横節、斜め節や節の高さ、ピッチ等がメーカーによって異なりますが、どのメーカーの鉄筋にも適用が可能です。この継手は、油圧ジャッキで鋼管を異形鉄筋の節に食い込ませるため、継手部にすべりが生じにくく、強度、剛性共に優れた工法です。使用方法として、片側は工場で締め付けた状態で組み立て、現場では鋼管内に相手側の鉄筋を挿入するため、安定性がよく、先組された柱鉄筋は仮り受け用の架設材が不要であるなどの長所がありますが、現場での圧着に油圧ジャッキが必要であり、施工性にやや難点があると言えます。

充填継手

充墳継手の中にはモルタル充填方式と溶融金属充墳方式とがありますが、溶融金属充墳方式は,ほとんど実用化されることなく消滅した工法です。モルタル充墳方式は、鋼管と異形鉄筋の間に無収縮モルタルを充填し、異形鉄筋の節からモルタル、モルタルから、鋼管に応力を伝達する工法です。この継手は開発当初からプレキャスト部材に内蔵された鉄筋の継手用として開発された工法です。プレキャスト部材は、スリーブをコンクリート内部に埋め込んだ状態で部材同士を接合するため、接合鉄筋の位置の修正はほとんど不可能です。従って、鉄筋とスリーブの間に 10mm程度のクリアランスが設けられており、複数の鉄筋に同時に挿入でき、継手時に鉄筋の伸縮が無いことなどの特徴があります。一方、鉄筋とスリーブのクリアランスが大きいので、他の機械式継手と比較してスリーブはやや大きく、またモルタルを介して接合しているため、スリーブの長さもやや大きいと言えます。充填するモルタルは無機質系の無収縮モルタルで圧縮強度は70〜100N/mm2です。最近では、先組み鉄筋工法に採用された例もあります。

併用継手

最近開発されている継手工法で、異種の工法を組み合わせた継手を併用継手と呼んます併用継手としては、片側ねじ継手と他方モルタル充填継手、片側圧着継手と他方モルタル充填継手等があります。前者の継手はねじ節鉄筋の特性を利用し、スリーブの片側を鉄筋に固定し、片側をモルタル充填継手で接合する工法で、主にプレキャスト部材に用いられています。後者の継手はスリーブの片側を鉄筋に圧着し、片側をモルタル充填継手で接合する工法で、鉄筋の種別のかかわらず用いることができ、主に先組み鉄筋工法に用いられています

(公社)日本鉄筋継手教会資料より転記