エンクローズ溶接施工

溶接継手の品質管理

突き合わせ溶接継手の品質管理は、施工前検査と施工時検査からなります。
有資格者の作業者が適切な材料と装置を用いて溶接作業を行う場合、条件が同じならほぼ同一性能の継手施工が可能ですが、工事監理者の指示により作業者の技量を確認したり溶接条件も確認のために、施工前に継手供試体を作成し、引張試験を行って継手性能を確認する施工前検査を行うことがあります。継手供試体は各工法の規定数量としますが一般的には鉄筋の種類や呼び名、径ごとに各3本以上作成し、外観検査や超音波探傷検査、引張試験等を行い、性能を確認します。
施工時検査としては、全数について目視による外観検査を行うとともに、抜取りで超音波探傷検査を行います。
外観検査では、溶接部のスラグやスパッタを除去した後、下記の項目を検査します。

  1. 有害と認められる欠陥の有無
  2. 溶接部の形状と寸法
  3. 鉄筋中心軸の偏心量と角折れ

以上の結果、欠陥が認められたものは不合格とし、表に示す処置を行います。

超音波探傷検査は、抜取り検査とし、検査ロットの規定、抜取り箇所、抜取り本数は各工法で定められた要領に従う必要がありますが、一般的には、継手100本を1検査ロットとし、1ロット当たり20箇所の継手を検査します。検査は各工法で規定された資格を有する者が行いますが、特に規定が無い場合は(社)日本非破壊検査協会認定の資格者とします。合否の判定は、各工法の規定に従いますが、一般的には、検査ロット内の不合格数が5%を超える場合には検査ロット全体を不合格とします。不合格ロットについては、 全数の超音波探傷検査を行い不合格の継ぎ手については、総て切断して再溶接し、超音波探傷検査で確認します。

欠陥の種類と補修方法

欠陥の種類 補修方法
スラグ巻き込み、溶け込み不良、ピットのあるもの 欠陥が無くなるまで削除後、補修溶接を行う
盛り高さが鉄筋径より低いもの 鉄筋径まで補修溶接を行う
極度のアンダーカットやオーバーラップのあるもの アンダーカットについて補修溶接を行うオーバーラップについては補修溶接を行うかグラインダ一で平滑に仕上げる
割れのあるもの 溶接部を全て削除し、開先を取り直して再溶接を行う
偏心量が鉄筋径の1/10を超えるもの 溶接部を全て削除し、開先を取り直して再溶接を行う

(公社)日本鉄筋継手教会資料より転記