鉄筋継手とは

RC造と鉄筋継手

1850年にフランス人ランボーがモルタルで作ったボートが鉄筋コンクリートの最初と言われていますが、鉄筋コンクリート造建物が日本で初めて建てられたのは、1904年(明治37年)佐世保にあるポンプ小屋、1907年(明治40年)神戸和田岬の東京倉庫と言われています。

鉄筋には丸鋼も使用されることがありましたが、ほとんどはアメリカからの輸入異形鉄筋が使われていました。しかしながら、関東大震災以降、輸入異形鉄筋が嫌われ国内で丸鋼が製造されるようになり昭和28年に建設省通達「異形鉄筋を使用した鉄筋コンクリート造について」が出され、再び異形鉄筋が製造使用されるようになりました。
鉄筋の長さは運搬上の問題から定尺ものとして製造されており、現場で鉄筋を継いで延長するために鉄筋継手が不可欠となります。鉄筋継手は、大正時代には丸パイプを使用した柱筋のパイプ継手、梁筋の先端をY字形に割いた丸鋼を重ねて平板クリップでボルト締めしたクリップ継手、丸鋼の先端にフックを設けて引っ掛けたフック式継手が使用されたという記録があり、昭和20年代には溶接継手や鉄筋端にネジを切ったターンバックル継手やスリーブナット継手が使われたという記録がありますが、昭和30年代までは、鉄筋の継手としては、重ね継手が主流ではないかと考えられます。

1933年(昭和8年)に日本建築学会から「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」が出版されましたが、継手に関する規定では、“主筋の継手の長さは主筋直径の25倍以上となし、2箇所以上に於て0.85mm以上の針金にて結束するものとす。”と記述されているように、重ね継手を対象とした規定となっています。

ガス圧接継手は、鉄道レールの継手として開発されたものですが、1952年(昭和27年)に大井博士が鉄筋の継手として開発し、当初は高架工事など土木工事に採用されましたが、すぐに建築物にもシェル屋根の鉄筋継手として採用されました。1957年(昭和32年)には建設省住宅局の安全性に関するお墨付きも出され、同年には建設省営繕局発行の「建築工事共通仕様書」に取り入れられました。1963年(昭和38年)に日本圧接協会が設立され、ガス圧接技術の調査、研究、圧接技術の技量検定、圧接技術に関する指導など積極的な取組みにより、ガス圧接継手は現在では鉄筋継手の主流となっています。

機械式継手や溶接継手は特殊な鉄筋継手と称され、太径鉄筋の使用や鉄筋工事の合理化、プレキャスト工法や鉄筋先組工法等に相応しい継手として1970年(昭和45年)から1975年(昭和50年)頃に盛んに開発されました(第1次開発ブーム)。この時期には30数種類という多くの工法が開発されましたが、継手単体の力学的性能を重視して開発されたため、先組み鉄筋のように多数の鉄筋を同時に接合するには難点のある継手工法や、コストが高かったり、特殊な治具を必要とし施工性に難点のある継手工法などがあり、普及するまでに至らなかった継手工法も多数ありました。
1990年代には好景気時代を迎え、多数の超高層RC造建物が建設されるようになり、太径鉄筋や高強度鉄筋を用いる設計が多くなってきました。このため、電炉鉄筋メーカーを中心に鉄筋径ではD51までの太径鉄筋、材質でSD490までの高強度鉄筋を対象に新たな鉄筋継手の開発が盛んに行われました(第2次開発ブーム)。超高層『RC造建物を対象とした継手工法としてUSD685という超高強度鉄筋の継手工法も開発されています。

(公社)日本鉄筋継手教会資料より転記